Japanese
English
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グリセオフルビンによる白癬の内服ならびに局所療法
THE SYSTEMIC AND LOCAL TREATMENT OF DERMATOPHYTOSIS WITH GRISEOFULVIN
中村 家政
1
,
荒尾 龍喜
1
,
坂崎 善暢
1
Iemasa NAKAMURA
1
,
Tatsuyoshi ARAO
1
,
Yoshinobu SAKAZAKI
1
1熊本大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermato-Urology, School Medicine Kumamoto
pp.593-597
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202854
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I.はじめに
浅在性白癬では通常表皮基底層を越えて真皮内に侵入することはなく,多くは極く表在性の角質層内に寄生するといわれている。それにも拘らず本症は抗菌力の頗る高い薬剤で必ずしも所期の効果が挙げ得ないのは結局同剤が角質層までよく浸透しきれないからであろう。このために最近の抗白癬剤は抗菌力のより優れたものを求めんとする傾向があるが,元来,表皮細胞は基底細胞の分裂によつて絶えず新生される細胞が漸次上方に移動して最上層の角層まで達し,ついに剥離し去るのであつて,もし全身的投与によつて生体には全く無害でしかも或る程度の静菌作用を有する状態で角層に達せしめ得れば,菌自身にたとえ殺菌的に働らかなくとも所謂epidermal flowに乗せて菌を体外に排出することができる。
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