Japanese
English
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グリセオフルビンによる爪白癬の治験
TREATMENT OF TINEA UNGUIUM WITH GRISEOFULVIN
中条 一
1
Hajime NAKAJO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology, School of medicine, Keio University
pp.975-977
発行日 1961年11月1日
Published Date 1961/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203175
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I.緒言
1939年Oxford,Raistrick & Simonet1)etcによつてPenicillium griseofulvumから分離された抗生物質グリセオフルビンは,1958年に至り,Gentles2)etcにより,動物の白癬に有効であることが知られ,同年Williams3)etcによつて,始めて,白癬症患者に用いられ,その治療成績の優れていることが認められた。この劃期的な内服抗白癬剤グリセオフルビンの登場以来,内外とも数多くの治験報告がなされ,その抜群の薬効により,従来の外用療法のみでは,殆んど治癒せしめ得なかつた,爪白癬及び頭部白癬に対しても完治の希望を持ち得るに至つたのである。
我々は,昭和34年冬より,グリセオフルビンの最大の適応症の一つとして爪白癬のみを選び,グルセオフルビン内服療法を行つて来た。いまだ,治療続行中の症例もあるがその効果の甚だ顕著なものがあるので茲に報告する。
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