Japanese
English
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グリセオフルビンの血中濃度について
ON BLOOD LEVEL OF GRISEOFULVIN
三浦 祐晶
1
,
嶋崎 匡
1
,
大久保 洋平
1
,
岩田 美恵子
1
Yusho MIURA
1
,
Tadashi SHIMAZAKI
1
,
Yohhei OHKUBO
1
,
Mieko IWATA
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Hokkaido University School of Medicine
pp.1059-1064
発行日 1963年11月1日
Published Date 1963/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203639
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I.はじめに
1939年Oxfordら1)によつてPenicillium gri-seofulvumから分離されたグリセオフルビンは,はじめ農業用の抗真菌剤としてトマトやレタスに使用されていた。これとは別に1945年にBrianら2)がPenicillium Janczewskiiから抗菌性抗生物質を発見し,これが低濃度で菌糸の過剰の分岐をきたし,高濃度で菌糸を螺旋形に彎曲させることから"curling factor"と名づけたが,Groveら3)は1947年にこの"curling factor"とOxfordらのグリセオフルビンが同一の物質であることを見出したのである。
その後1958年に至つてはじめてGentles4)がモルモットの実験的白癬に経口的に投与して効果を認め,Lauderら5)は牛の実験的白癬に使用して著効を得たことから,Williamsら6)が人間の皮膚糸状菌症に応用してかなりの効果を挙げている。爾来,主として外用療法にのみ頼つていた皮膚糸状菌症に対する画期的な治療剤として注目され,その優れた臨床効果については既に多くの報告があることは周知の通りである。
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