Japanese
English
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白癬に対する微粒子グリセオフルビンの治療効果
CLINICAL EFFECT OF MICRONIZED GRISEOFULVIN IN DERMATOPHYTOSES
高橋 吉定
1
,
高橋 伸也
1
,
福士 堯
1
Y. TAKAHASHI
1
,
S. TAKAHASHI
1
,
G. FUKUSHI
1
1東北大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.333-345
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203484
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I.緒言
グリセオフルビンが昭和34年にわが国に登場してからほぼ4年の歳月を経た。この間吾々をはじめ多くの専門医家による臨床実験によつて,従来極めて難治とされていた角質増殖型汗疱状白癬,頭部白癬,爪白癬,汎発性白癬を含む各種白癬が本剤の内服によつて治癒することが確認された。しかしながら,少数ではあるが無効例の存在すると,症状は概ね軽微かつ一過性であるが副作用の発生の多いこと,治癒の判定が難しく,しばしば再発を認めること等グリセオフルビンによる白癬の治療に関しては尚幾多の問題が残されている。再発の問題はこれが再感染と区別し難いことからひと先ず論外に措くとしても,無効例の存在と副作用の高率発生は本剤に更に改良の要求された理由である。無効例の多くはKraml et al.も述べこているごとく,個体におけるグリセオフルビン吸収の不良が重要な原因のように思われる。
1962年にAtkinson et al.4)5),Kraml et al.6)はグリセオフルビンを微粒子化すること,換言すればspecific surface area (S.S.A.)を大きくすることによつて腸管よりの吸収が促進せられ高い血中濃度が得られることを報告した。
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