Japanese
English
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グリセオフルビン微粉末による白癬の治療
TREATMENT OF DERMATOMYCOSIS WITH FINE-PARTICLE GRISEOFULVIN
安元 健児
1
Kenji YASUMOTO
1
1久留米大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine
pp.351-355
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203486
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I.はじめに
グリセオフルビンはWilliams,Marten andSarkany1)によつて初めて白癬患者の治療に用いられ,その優れた効果を確認されて以来急に注目されてきた。これは従来の外用療法によつては極めて難治であつた汗疱状白癬や頭部白癬,あるいは全く治療に抵抗した爪白癬を内服により治癒させうる画期的な抗白癬剤であり,このことは内外の多くの報告2)6)により周知のとおりである。最近Atkinsonら7)は薬剤の粒子が細かくなれば,消化管からの吸収ならびに血中濃度が増加することから,従来のグリセオフルビンの単位重量当りの粒子総面積(S.S.A.)0.4m2/gを,さらに微細にしてS.S.A,を1.5m2/gにすれば,従来のグリセオフルビンの半量投与で同じ血中濃度がえられると報告した。Pettit8)は頭部白癬についてこれの臨床実験を行つて,グリセオフルビン微粉末は従来のグリセオフルビンの半量投与により同等の効果がえられたと報告した。このことは治療の経済化の点からも大いに注目されて,早速グリセオフルビン微粉未の出現となつた。
われわれはフルビスタチンUF (シオノギ)と国産のグリセチンFP (日本化薬)の提供を受けこれらグリオセフルビン微粉未の白癬にたいする臨床的効果ならびに動物実験,試験管内抗菌試験を検討し,あわせて外国製品と国産のものとを比較検討する機会をえたので報告する。
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