Japanese
English
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新表面麻酔剤エピロカイン液・ゼリーの泌尿器科領域における使用経験
UROLOGICAL USE OF NEW ANALGETICS, EPIROCAIN-DYCLONINE JELLY.
平田 耕造
1
,
中山 宏
1
Kozo HIRATA
1
,
Hiroshi NAKAYAMA
1
1九州大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.185-187
発行日 1960年2月1日
Published Date 1960/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202770
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はじめに
泌尿器科領域において各種医療操作を施行する場合に大きく問題となるのは,施行時またはその後において患者が蒙る疼痛である。これはひとり泌尿器科領域のみの問題でないことは勿論であるが,殊にわれわれの領域では医療操作の性質上,患者に与える疼痛は極めて大きなものであるといわざるを得ない。しかもそれらの操作の多くがroutineに行われる必要不可欠のものであつてみれば,操作施行時における完全無痛状態の獲得が切実に要求されるのは当然のことであろう。この目的のために一方では泌尿器科的医療器械の著しい改良発達がみられ,他方では泌尿器科領域において繁用される尿路粘膜麻酔剤が長足の進歩をとげて来た。19世紀におけるCocaineの発見以来幾多の表面麻酔剤が相次いで登場し,その優秀性もかなり認められてきてはいるが,未だ我々の要求を完全に満足させる迄には至つていない。しかしながら幸にこの分野における研究が日夜続けられ,理想的表面麻酔剤の出現に一歩一歩近づきつつあることはわれわれ泌尿器科医にとつてはなはだ喜ばしいことである。われわれは今般エーザイ株式会社より新しい強力な表面麻酔剤Epiroca-ine及びDyclonineを組合せて創製された粘膜麻酔剤エビロカインゼリー・液の提供をうけ,主として内視鏡的操作時における尿道,膀胱麻酔に応用して著明の好結果を得たので,ここに報告する次第である。
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