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尿道の麻酔—(オノカインゼリーの使用経験)
飯島 博
1
1昭和医科大学泌尿器科教室
pp.235-238
発行日 1956年4月1日
Published Date 1956/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201662
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緒言
戦後10年をかへりみるに,医学は著しい進歩を遂げ,そのうち麻酔法に於ても目ざましき発達を見るに至つた。しかるに我々泌尿器科医が日常の診療に最も機会の多い膀胱鏡検査,或は拡張ブジー挿入などの際の尿道粘膜麻酔については,その簡単さ故に看過されがちである。そのため患者に相当の苦痛を強いなければならず,検査や処置,及び操作などた支障を来す場合さへある。勿論,全身麻酔や腰椎麻酔を行へば麻酔は完全であるが,経尿道的検査や処置は外来患者について行う事が多いから,この様な麻酔法を実際に使用することは不適当である。これらの点を改善すべく幾つかの研究がなされている。即ち溶剤としては,Corkusのグリセリン,トラガントゴム,フエノール,棚酸を加へた処方。又落合氏のブロカインを主剤とし,フエノール,グリセリン,トラガントゴム,の溶液等が発表されており,藥剤としては,Xylocain,Intracaine,Diothane,Anaestesine,等が使用されている。当教室に於ても松井等がカロカインを使用して良好な成績を上げたが,著者は更に比較検討すべく新局所麻酔剤であるオノカインを使用して概ね良好な結果を得たので報告する。
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