Japanese
English
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チスチン尿症に就て
CYSTINURIA COMBINED WITH CALCULI:REPORT OF TWO.CASES
下江 庄司
1
Shoji SHIMOE
1
1大阪大学泌尿器科教室
1Department of Urology,Osaka University Medical School
pp.21-26
発行日 1960年1月1日
Published Date 1960/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202736
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緒言
チスチン結石の記載は古いもので,1810年にWollastonが,異常な成分を有する膀胱結石の1例として報告したのがその第1例であるが,その報告は今でも比較的稀なものである。そして本邦に於ては,現在迄に20数例の報告を見るに過ぎない。本症は,遺伝的なチスチン尿症に起因するもので,ために再発率が高く,根治の難しい結石症である。私は最近,このチスチン結石の2例を経験したので,ここに報告する。その第1例は摘出した結石の外観からチスチン結石を疑い,その分析により確かめ得たものであり,第2例は外来診察時に尿中に観られたチスチン結晶から診断し得たものである。即ち,チスチン結石は,今日でも稀とされているのであるが,診察時の尿検査及び摘出結石の検査に関して細心の注意を払えば,チスチン尿症及びチスチン結石はさほど少ないものではないと考えられる。
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