Japanese
English
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難治な尿道狭窄に行つた膀胱S状腸吻合術
"VESICO-SIGMOIDOSTOMY"
伊藤 秦二
1
,
下江 庄司
1
Shinji ITO
1
,
Shoji SHIMOE
1
1大阪大学医学部泌尿器科
1Department of Urology, Osaka University School of Medicine
pp.637-641
発行日 1959年7月1日
Published Date 1959/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202583
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尿閉塞或は尿失禁の原因である膀胱頸部から尿道にかけての疾患を如何なる方法によつても修復しえない症例に対して,これまでは最後的な手段として尿管皮膚瘻術,種々なる尿管腸吻合術,或は膀胱瘻術などの尿路変更法が行われたが,これらには夫々周知の如く,皮膚尿瘻の形成,或は尿管吻合部の狭窄,或は尿管内逆流現象などによる上部尿路障害その他の欠点があつた。
このような症例に於いて,膀胱が正常に保たれており,又肛門括約筋の機能が正常である場合,尿管には全くふれることなく膀胱と直腸とを吻合するという試み,即ち膀胱直腸吻合術は,古くThiersch;Tuffier;Senn,及びTuffier und Poussanなどが施行したもので1943年にもHartの報告があるが,一般の注目をひく様になつたのは,1952年にBoyce and Vestによつて膀胱外反症の2例に対して行われてからである。次いで1954年にMooreによつて尿道上裂及び根治不能の尿道狭窄の各1例に,Boeminghaus(1956)は膀胱外反症の1例に,又続いてRobbins(1957)及びFranzblau(1958)らは,夫々難治の尿道狭窄の症例に試みた。
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