Japanese
English
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腎盂癌を併発せる巨大水腎症の1例
A CASE REPORT ON GIANT HYDRONEPHROSIS COMPLICATED WITH CARCINOMA OF THE KIDNEY PELVIS
東福寺 英之
1
,
山藤 政夫
1
,
井刈 義幸
1
,
織田 裕義
2
,
飯塚 豪男
2
H. TOFUKUJI
1
,
M. YAMAFUJI
1
,
Y. IKARI
1
,
H. ODA
2
,
H. IIZUKA
2
1慶応義塾大学医学部泌尿器科教室
2慶応義塾大学医学部病理学教室
1Keio University,School of Medicine,Dept.of Urology
2Keio University, School of Medicine,Dept.of Pathology
pp.13-19
発行日 1960年1月1日
Published Date 1960/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202735
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緒言
水腎症は日常臨床上頻々と遭遇するものであるが,その大部分は内容1000cc以下の2次的水腎症である。内容1000cc以上の巨大水腎症はさほど多いものではなく,本邦に於ては約70例が報告されている。また,これらの合併として結石,粘膜白斑等が報告されているが腫瘍の合併は比較的少く且つその大部分が乳頭腫または悪性乳頭腫とされている。扁平上皮癌の合併に就いては種々の成書中わずかにHinmanの泌尿器科学に極めて稀な合併を記載してあるのみである。
我々は巨大水腎症の1例を経験し,腎摘出術施行時発見した後膜淋巴腺より転移性癌を発見,詳細な検索により巨大水腎症に原発したことを知り,種々治療を行なつたにもかかわらず,広範な転移を起し遂に死亡,更に剖検する機会にめぐまれたので報告する。
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