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海外トピツクス
pp.511-512
発行日 1949年12月1日
Published Date 1949/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200287
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油蝋ペニシリンによる驅梅法
梅毒,とくに早期梅毒にたいする水溝性ペニシリンの有効なことは確定された事實といつてよい.油蝋ペニシリンが現われてから,その使用法が簡便で外來患者にも用い得るために,水溶性ペニシリンに代つて使うことができるかどうかが,多くの研究者によつて檢討された.とくにUnlted States Public Health ServiceおよびNationaInstitute of Healthの計畫による諸所のClinicの共同研究の結果は,吸收遷延性ペニシリンと水溶性ペニシリンとは早期梅毒にたいしてその効力ほゞ同じであるという結論に達した.しかし油蝋ペニシリンをどんな方法で用いるのがもつとも効果的であるかという問題については,その後さまざまな意見が現われていまだ歸するところを知らない.Thomasその他およびRausehkolbその他は毎日2回30萬單位ずつ8日間,總量480萬單位の注射を行い,第1期梅毒において60〜90%の治癒率を得た.しかるにCharginその他はそれと同じ480萬單位を用いたが,毎日1回30萬單位ずつ16日間に注射して,第1期梅毒にたいする治癒率90〜100%を得,投與期間の長いことは量の多いことゝ等しく重要な問題であるといつている.
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