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海外トピツクス
pp.95-96
発行日 1952年2月1日
Published Date 1952/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200681
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アレルギー性疾患の治療
アレルギー研究は進歩したが,この恩惠を受けている人は少ない。これはアレルギー性疾患の原因,診斷,治療についての醫帥,一般の人の諒解ならびに一部の學者の獨善的解釋に原因しはいる。これについてFeinbergは次の如き警告を發している。①皮膚反應陽性者にすべて特異的脱感作が必要であるという誤解。食餌によるアレルギーに對して食物の抽出液を以ての皮下注射による特異的脱感作は賢明な方法でない。かゝる場合には食餌の回避によるか,經口的脱感作を行うべきである。吸入による食餌性アレルギーは,注射により脱感作が可能である。排除し得られる吸入アレルゲンは回避し,除去し得ないアレルゲン(花粉,塵芥等)に對しては,脱感作が必要である。②皮膚反應陽性者は少くともこの特種な抗元はこれを除去すべきであるとの誤謬。皮膚反應陽性患者の主訴はこの抗元だけが原因だと考えられている。皮膚反應陽性でも臨床症状を現わさないアレルギー(subclinical allergy)があるから,この抗元を取去つても患者の主訴は無くならないことがある。又メタルギー,パルテルギー,パラアレルギーがあることも注意すべきである。皮膚反應を行う時には貼布基劑そのものの非特異的刺戟の有無を検すべきである。次に皮膚標記症陽性者はすべての物に過敏であると考えるのは誤りである。
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