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海外トピツクス
pp.245-246
発行日 1951年5月1日
Published Date 1951/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200518
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脂漏性疾患における内分泌的要因
脂漏の最も主要な要因はホルモンである。男性ホルモンは皮膚面および毛嚢の角化を促し,脂線の分泌を高めるが,女性ホルモンはその反對の作用を呈する。男女兩性における脂漏性發疹の發生は,流血中のandrogenとestrogenとの比に關係すると想定される。その理由として次のことが擧げられる。それらの發疹は男性において女性より多く見られる。宦官,類宦官,除睾者はそれを生じないが,男性的な男子,また思春期においては寧ろ生理的ともいうべき程度に發生する。女子においては卵巣機能不全の場合に,また男性型のものには普通に現われる。Lawrence等によると,痤瘡患者は男女共,尿中のestrogen排泄は正常より減じていたが,androgenは略々正常であつた。そしてandrogen/γ estrogen equiva-lentは正常平均2.46,痤瘡平均6.67であつた。閉經期の婦人に本疾患が多いのは,卵巣機能の減退と,屡々伴う副腎からのandrogen分泌増加から理解できる。
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