学会印象記
<第9回>日本泌尿器科学会中部連合地方会印象記
小田 完五
1
1京府大
pp.229-230
発行日 1959年2月1日
Published Date 1959/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202497
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第9回日本泌尿器科学会中部連合地方会は皮膚科学会の翌日,文化の日,岩下会長主催のもとに,京都府立医科大学総合講堂において開かれた。今回は会長の発案で一般演説,特別講演,シンポジアムが計画され,一般演題は結核及び放射線関係,手術,前立腺関係,化学療法,興味ある又は稀な臨床例に制限して募集された。応募演題にこのような制限があつたにかかわらず出題数は55題に達し,時間の都合で31題が口演され他は紙上発表を余義なくされた。演説の内容は一般に充実したものが多く而も円滑に進行し,特にシンポジアムは盛況活濃有意義に終始し,従来とかく低調を伝えられていた中部にも,ようやく隆盛のぎざしが見え始めたようであつた。演説内容の抄録は何れ学会雑誌に掲載されることであるから,ここには筆者の印象に残つた項目を中心に当日の状況を述べてみる。
定刻9時,結核関係の演説から始められた。最近化学療法の進歩発展に伴つて尿路性器結核にも大きな変革がもたらされ,結核における腎部分切除術もその1つであるが,後藤氏ら(京大)は血管撮影法によつて閉塞性空洞を発見し本手術の適応を決める上に役立つと述べ,北川氏も亦同様の追加を行つた。篠田氏ら(岐阜医大)はスト・マイ前立腺内注射療法の効果を述べたが,その判定はbiopsyのみでは不充分であり手術的療法の必要なことを志田氏は追加した。
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