Japanese
English
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前立腺肥大症及び癌別除例におけるグロンサンの肝機能に及ぼす影響た就て
INFLUENCES OF GURONSAN ON LIVER FUNCTION IN RESECTION CASES OF PROSTATIC HYPERTROPHY AND CANCER
牛田 隆雄
1
Takao USHIDA
1
1名古屋大学医学部泌尿器科
1Urology, School of Medicine, Nagoya University.
pp.210-228
発行日 1959年2月1日
Published Date 1959/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202496
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I.緒論
前立腺肥大症癌は我が国に於て従来考えられていた程稀な疾患ではなく,而もこの疾患は50歳以上の老人に発生し,多くは排尿障碍及び尿閉を主訴として来院するため今までその手術の腎に及ぼす影響についてはいろいろ研究されてきた。即ち楢原1)は腺腫剔除前後の腎機能検査を行いその変化につき述べている。岩下2)は82例中47例について試べ治療前には高度に腎機能障碍のあるものが全体の1/4あつたが,治療後次第に恢復したと述べている。その他岡崎などの研究がある。しかるに肝機能の変化についての研究は僅かで肝機能の一部分について行われ系統的の研究はされていない。この肝臓は体内で最も重要な機能が営なまれ,他の臓器との複雑な相互関係を有する臓器である。約20年前Heryd,Boyce,Wilen-skyにより外科的手術に於ける肝の意義は重要視されるに至り,それ以後外科的手術による肝機能の変化についていろいろ研究されて来た。即ち黒田3)は外科的侵襲により第1日に最大の肝機能障碍があらわれ次第に恢復,第7日に大体術前にかえることを報告した。張4)は実験的に家兎を開腹15分後に閉腹したのみで24時間,72時間後に肝細胞の「ミトコンドリヤ」が微細化し染色性低下,或は不染性になり,鮮明なる「ミトコンドリヤ」が減少すると報告している。
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