印象記
第19回日本泌尿器科学会中部連合地方会
多田 茂
1
1三重県立大学医学部泌尿器科学教室
pp.161-163
発行日 1969年2月20日
Published Date 1969/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200626
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11月3日を中心として中部連合地方会を行なうことがならわしのごとくになつているが,今年もさわやかな小春びよりにめぐまれた文化の日に大阪市大田村峯雄教授を会長として,大阪市阿部野区役所大講堂において午前9時に開会され,夕刻6時過ぎに次回会長京都府立医大小田完五教授のあいさつをもつて終了した。
午前中には一般演説17題および阪市大前川助教授の"腎不全とその対策"についての特別講演があり,午後には一般演説26題(欠題2)およびシンポジウム"腎疾患における腎保存手術"があつた。まず特別講演の内容を紹介すると次のごとくである。慢性腎不全における高血圧を対象として初期には胸管排液法つづいて腹膜潅流を施行してきたが最近はもつぱら血液透析によつている。約400回の透析を行なつた結果について①腎不全患者の計画的管理が可能となつた。②rehabilitationを考えるようになつた。③腎移植術の応用が可能となつた。以上のごとき利点をあげている。慢性腎不全に対する透析の成績は必ずしも良いとはいえないが,これは無せん択的にすべての患者に行なつたことと初期における技術的未熟に起因するものと考えている。
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