Japanese
English
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ミノフアーゲンA.Lによる抗療梅毒の治療—特に抗体価の変動について
TREATMENT OF SERO-STABLE SYPHILIS BY MINOPHAGEN AL : AND ITS INFLUENCE ON ANTIBODY VALUE.
永石 保
1
Tamotsu Nagaishi
1
1山口県立中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Yamaguchi prefct-ctural Hospital.
pp.501-504
発行日 1958年5月1日
Published Date 1958/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202260
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梅毒の病像は数年来著るしく変わり,顕症梅毒の激減と所謂抗療性梅毒の増加とが目立つて来た。即,砒素剤,蒼鉛剤,ペニシリンなどで長期間にわたり強力な治療を行つても血清反応が陰性化しないものが少くない。これを樋口教授は「血清の瘢痕」なる語で表現し,又,故,並木教授の駆梅療法に於ける保証量の問題もあり,十二分に駆梅療法を行えば仮令,血清反応が陰性化しなくともよいとはいうものの,血清反応が常に陽性にとどまつていることは患者に絶えざる不安を考えている。
一方,梅毒血清反応はPangborn (1941)のCardioli-pin発見以来,その鋭敏度及び特異性が著るしく高くなつたため,従来の方法では既に陰性化している場合でもCardiolipin抗原によると陽性に留まつていることが報告されており,かかることも抗療梅毒増加の一因をなすものと考えられる。然し,抗原にスピロヘータを使うNelson-Mayer-Testの様な特異的反応が経済的,技術的理由で未だ普及していない現在では今の所最も優れているCardiolipin抗原による方注に従つて判定する外はない。
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