技術講座 血清
風疹抗体価の測定
巴山 顕次
1
1阪大微生物病研究所臨床検査部
pp.433-437
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201376
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1976年の4,月から6月にかけて新聞紙上(「朝日」1976・4・16,1976・6・16)で,全国的な風疹の流行を報じた.その状況を厚生省が1976年5月までまとめた全国集計では64万4792人に達したと報告された.1975年の風疹の流行に続くもので,1976年になって更に激しくなり,流行は全国的に広がった.
風疹は"三日はしか"と言われるように,古くから知られている小児に感染する発疹性のウイルス疾患である.風疹に感染すると発疹,発熱,リンパ腺腫脹などの特有な臨床症状がみられる.今回の流行では中学生,高校生から成人まで感染している.成人が感染すると一般に症状が小児に比べると重いと言われ,特に妊娠初期の女性が感染すると白内障,難聴心臓奇形などの先天性障害が出て,風疹による先天性奇形児を出産することが報告されている.
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