異常値・異常反応の出た時・48
ウイルスの血清抗体価
藤井 良知
1
,
中村 健
1
1帝京大・小児科
pp.1484-1488
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909628
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ウイルス感染症に際して血清抗体価の測定が要求されることが多いが,それは診断の目的であって,ウイルス感染に対して特殊治療法のほとんどない現状においては,それが治療に直接に結びつくことは少なかった.
診断の目的には急性期・回復期のペア血清をそろえて同時に同じ条件で抗体価の測定を行い,その回復期における有意上昇を証明することが必要である.回復期の単一血清に高い抗体価を証明しても近い過去にその感染を経過したことを想像はさせるが,しかし診断上確定的のものとはならない.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.