Japanese
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色素沈着症に対するPara-hydroxypropiophenone(カスタンコーワ)の応用(第1報)
TREATMENT OF SKIN HYPERPIGMENTATION WITH PARA-HYDROXYPROPIOPHEN-ONE "CASTAN KOWA"
川村 太郎
1
,
西原 勝雄
1
,
田中 弘
1
,
白崎 幸雄
1
Taro Kawamura
1
,
Katsuo Nishihara
1
,
Hiroshi Tanaka
1
,
Yukio Shirosaki
1
1金沢大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Dermato-Urologicol Clinic, University of Kanazawa
pp.479-484
発行日 1958年5月1日
Published Date 1958/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202257
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I.緒言
皮膚の色素沈着症に対する治療に就ては,古くから幾多の方法が行われて来ているが,仲々に満足すべき結果が得られていない。最近のDenton等1)に始まるmonobenzylether of hydroquinone (H. M. E.)療法は最も秀れたものの一つであり,教室に於いても昭和30年以降その軟膏及び溶液を使用して,良い成績を挙げている2)。然し乍ら,之とても副作用の発現を嚴重に警戒する必要があり,使用上の困難はなしとしない。
今回ここに報告するpara-hydroxypropiophenon(P. H. P.)は下垂体に対する強力な合成抑制剤として,1949年Marcel Perrault3)により紹介されたもので,その構造式は第1図の如くdiethylstilbestrolの1/2の構造を有するものである。Perraultによると本剤は人間ではgonadotropin,thyrotropinを抑制する傾向があるが,corticotropinに対しては無影響であつて,爾来主として婦人科的疾患に応用され,本邦でも專らその方面に使用されている。
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