Japanese
English
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Gilchrist氏人工膀胱の3例
3 CASE OF GILCHRIST'S SUBSTITUDE BLADDER
川村 雅俊
1,2
,
森 裕一
1,2
,
水永 浩二
1,2
,
須田 富士雄
1,2
,
星 清
1,2
Masatoshi Kawamura
1,2
,
Yuichi Mori
1,2
,
Hiroshi Mizunaga
1,2
,
Fujio Suda
1,2
,
Kiyoshi Hoshi
1,2
1東京慈恵会医科大学大井外科教室
2富士中央病院外科
1Department of Surgery. Tokyo Jikeikai Medical Collage.
2Fuji Central Hospital
pp.681-684
発行日 1957年8月1日
Published Date 1957/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202021
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膀胱を全剔した場合には,尿路の変更が問題となる。尿路の変更については,1852年,Simonが,尿管・直腸瘻を造設して直腸を人工膀胱にあてる術式を発表し,それ以来,腸管をもつて人工膀胱をつくる術式として,遊離小腸,回盲部,直腸等を利用した幾多の術式が考案されてきた。これらの術式は,尿貯溜が可能であるという点において,長所をもつ術式であるが,他面において,この尿貯溜が短所となり,血中電解質の不平衡および尿路の上行感染が起る。これに対して,尿管・皮膚移植法があり,この方法は,これらの短所を伴わない点では,最も安全な術式と思われるが,尿の貯溜という面に欠点があり,日常生活に非常な不便をもたらす。尿路の変更については,いずれの術式をみても,尿貯溜,上行感染,血中電解質の不平衡は,たがいに両立しがたく,これら3条件を満足させる術式は,未だ見当らない。現在のところ,Gilchrist氏法が,これら3条件を一番うまく満足させていると思われる。本法は,1950年Gilchristが初めて行なつた方法で,盲腸・上行結腸を人工膀胱とし,Bauchin氏辨を括約筋の代用として利用し,回腸末端を人工尿道としたものである(第1図)。私どもも,最近3例について,Gilchrist氏人工膀胱を造設したので,その経験について述べる。
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