臨床経験
脳疾患に伴うpara-ostéo-arthropathyの治療経験
小泉 正明
1
,
山口 智
1
,
林 輝明
1
,
岡本 連三
1
,
秋山 典彦
1
,
木下 潤
2
Masaaki KOIZUMI
1
1神奈川総合リハビリテーションセンター・七沢障害交通リハビリテーション病院整形外科
2神奈川総合リハビリテーションセンター・七沢障害交通リハビリテーション病院精神神経科
pp.879-885
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905409
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はじめに
脊髄損傷に合併する異所性化骨の診療や研究の報告が比較的多数みられるのに比べて,片マヒ等の脳疾患のそれの治療成功例の報告は少ない(第1表a).片マヒはRusk13)もいうようにその90%は歩行を期待し得る疾患であり,手術により歩行不能のものを可能とすることができるのでその臨床的メリットは大きい.われわれは当リハ・センターにおいて異所性化骨が発生し強直となった6症例の手術を行いADLに著しい改善を見た.
片マヒ患者の歩行は下肢に随意運動がなくても,つまり分離動作が完全でなくても陽性支持反射を利用して可能である場合が多い21).痙性による内反や尖足に対して腱の手術を行ないそのdeforming factorを減少したり利用したりして歩行は可能となり得る.POA合併の患者でも内2例にこの種の手術を併用して効果を上げた.
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