Japanese
English
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各種皮膚疾患に対するChocola A.D.Sahneの応用
THE APPLICATION OF CHOCOLA A.D SAHNE FOR VARIOUS SKIN DISEASES
田中 宏
1
,
鷲尾 勝
1
,
猪股 成美
1
,
石田 和
1
,
門馬 勇次
1
Hiroshi Tanaka
1
,
Masaru Washio
1
,
Narumi Inomata
1
,
Kazu Ishida
1
,
Yuzi Monma
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
1The Department of Dermatology, Faculty of medicine,Niigata University.
pp.529-531
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201985
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緒言
ビタミンAは表皮細胞の機能と密接な関係があり,特に表皮にケラチン形成を抑制するとされている。又その欠乏は角化異常となつて現われ,皮膚は全体として乾燥し,粗糙となり鱗屑を認める。又ビタミンDは燐,カルシウム代謝に密接な関係があり,局所細胞の酸素消費を高めて瘢痕形成を促し,更に病原体や病因に対して都合の悪い状態をつくる。更にビタミンEはビタミシAの酸化を抑制し,末梢血管の抵抗性を高め,末稍循環を促進する作用があるほか,更に膠原線維の退化を防止し,自律神経系,肝機能を正常に保つ広範な作用がある。以上の如き各ビタミンの作用により,ビタミンAは皮膚乾燥,角化異常に,ビタミンDは乳児湿疹,火傷,皮膚結核,乾癬,円形脱毛症に,ビタミンEは凍瘡,各種皮膚炎に効果がある。処でビタミンADEは,共に脂溶性ビタミンに属し,相互に密接な関聯があり,相剩効果が期待される。しかし近年迄,主に此等は注射或は内服として用いられて来たが,軟膏基剤の進歩と局所療法の再認識により,ビタミンADEの外用が行われ注目すべき効果をあげて居るが,喜々の教室でもエーザイからチヨコラ・ザーネの提供を受け,昭和30年より昭和31年12月迄,外来患者に之を各種疾患に試用したので治験を報告する。尚,チヨコラ・ザーネの組成は
ビタミンA(パルミテート) 2,000単位
ビタミンD(カルチフエロール) 500単位
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