Japanese
English
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梅毒性Darier-Roussy型皮下類肉腫
SYPHILITIC SUBCUTANEOUS SARCOID (DARIER-ROUSSY)
船橋 俊行
1
Toshiyuki Funabashi
1
1関東逓信病院皮膚科
1Kanto Teishin Hospital
pp.407-411
発行日 1957年5月1日
Published Date 1957/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201954
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皮下類肉腫は1905年,Darier-Roussyの記載に始まり,Boeck類肉腫とともに結核性疾患とし,て扱はれて来たが,梅毒によつても同様の皮疹を生ずることがPautrier(1914)1)によつて明らかにされた。類肉腫なる語は本来肉腫に類似するが特に良性である点が異るものに附せられた名称である。後にはVolkの所謂類肉腫性アレルギー反応型と称せられる組織反応を呈する疾患をかく名付けるようになつた。
従つてこの意味からBesnieiのLupus pernio,Schaumanのforme érythrodermique du lymphogranuloma béninもまたこの範疇に加えられ,更にかゝる組織反応は皮膚のみに限局せず,もつと系統的に淋巴組織,骨髄,肝,脾,肺等にも汎く発生することがあるところから,一般に全身の淋巴,細網内皮系を系統的に侵し,組織学的には類上皮細胞の結節で壊死軟化を欠き,巨細胞を有することも有せぬこともあり,時に線維組織の増殖や硝子様変性を示す如き病変に対してSarcoidosisなる名称が附されている。従つて皮膚乃至皮下類肉腫も全身的系統疾患たるSarcoidosisの皮膚に於ける部分症状と見なされている現状であり,その発生頻度は全Sarcoidosisの25%以下とされている。
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