特集 超音波検査の技術と臨床
コラム
ゼリーについて
大竹 章文
1
Akifumi OTAKE
1
1アロカ株式会社第一技術部システム2課
pp.1484
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904961
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超音波検査を行う経験がある人は必ず1回は手にするのがゼリーである.入社したての新人のころは,なぜこのようなものを体に塗るのか不思議ではあった.よく考えてみると,このような液体を塗って画像を表示する診断法はほかにはないのではないだろうか?
超音波はとても空気を嫌う.音波が空気中で大きく減衰することで検査する体内に音を送ることができないのは,この検査法が確立する前からの大きな問題となっていたように感じる.それは以前,初期の超音波診断装置の写真を見せていただいたとき,ドラム缶の壁にセンサーを置いて中に水をはって,五右衛門風呂のごとく患者を観察している光景があり,当時はいかに体表とセンサーの間に水の層を挟んで良好な画像が得られるか研究していたかを知ることができた.今考えると研究者の苦労は相当なものだったのだろう.
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