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海外トピツクス
pp.79-80
発行日 1956年1月1日
Published Date 1956/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201606
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潜在性前立腺癌の予後及び対策
潜在性前立腺癌の予後及び対策に関しては,従来多数例に就ての経験に基く確実な報告の乏しい怨みがあつた。最近にGreene and Simon (1955)は,1934年から1947年に亘る15年間に経験した潜在前立腺癌の8例に就ての知見を報告し,この方面の信頼すべき事項を我々に提供している。彼等の83症例は,2090例の前立腺の中で,経尿道的切除標本に就ての検索の結果癌腫の存在が始めて発見された症例であつて,そのあるものは経尿道的切除術の他に抗男性ホルモン療法或はレ線照射療法をも施行されたものである。
この83例の治療成績を綜合して見ると,術後の5年乃至10年間の生存率は,同年齢者の平均生存率の95乃至85%に相当する高率で,又症例の80%までがその後も術前から引きつゞき前立腺癌に起因する症状が全く認められなかつた。
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