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学会見聞記
堀口
,
荒井
pp.617-621
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201484
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皮膚科学会記
第54回日本皮膚科学会総会は第14回日本医学会総会の第29分科会として開催された。4月1日(金)午前10時より医学会総会開会式,各分科会は2,3.4,5,4日間の午前中だけに行われ,2日午後は各分科会の特別講演他の午後は総て総会特別講演に当てられた。会期中,時に小雨にも見舞われ,又満開の桜に小雪がぱらつくと云う光景も見られたが,概ね晴天に惠まれ,5日午後の閉会式迄5日間に亘る総会は甚だ盛大に繰り拡げられた。
皮膚科学会は分科会に割り当てられた4日間を全部費して行われた。宿題報告1題,特別講演1題,一般演説は紙上発表も含めて209題。会場は京都大学学生集会所講堂,古い木造建築の2階であつて,平面の板の間に粗末な木製長椅子を並べてある。山本会頭が挨拶の中で,御自身が医学会総会の会場割り当ての委員をして居られる関係上,遠慮されて此の会場で我慢したと述べられ,会員にも了承を求められた。真に分科会44を数え参会者3万と云われる総会を,而も観光時期の京都で開催するための当事者の心労も察せられて,此の粗末な会場で本学会が行われている事にも,如何にも医学会総会らしい気分が感じられた。会場の人の出入りは激しく,他の分科会に顏を出したり,專問の違う旧知と交歓したり,花の京都の探索に出かけたり,会場に落着きがなかつたのも止むを得ない現象であり,之又総会らしい空気なのかも知れない。
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