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皮膚組織球腫の1例に就て
伊崎 正勝
1
,
山川 昌一
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.360-363
発行日 1955年6月1日
Published Date 1955/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201440
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皮膚組織球腫Histiocytoma cutisは組織球の増殖からなる或る特定の皮膚腫瘍に対してWoringer(1931)が初めて用ひた名称であるが,これより先,Unna(1896)がFibroma simplex,Arning-Lewandowsky(1911)がNoduli cutanei,Schreus(1939)がDermatofibroma lenticulareとして報告したのも同一の皮膚疾患であることは周知のことである。更にMichelson(1933)は本病をNodular subepidermal fibrosisと称すべきであるとしGross & Wolbach(1943)はSclerosing hemangiomaなる病名を附してゐる。その他或はFibroma en pastille(Civatte)として記載され,或はFibroma durumとして時に分類されてゐる。
本邦ではこの種疾患について加藤等,高橋,北村等,原田等及び藤田の論文或は症例報告を見るに過ぎない。私共はたまたま皮膚組織球腫として差支えないと思われる症例を経験したので,こゝに報告しいさゝか本症につき考察を加える次第である。
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