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慢性円板状エリテマトーデスに対するビタミンB12の大量療法
谷村 保夫
1
1大阪市立医大皮膚科泌尿器科教室
pp.365-367
発行日 1955年6月1日
Published Date 1955/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201441
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エリテマトーデスは古くよりその病因並びに治療面に於て非常に興味のある疾患である。こゝではその病因についてはさておき,治療面をみると蒼鉛剤,金剤,砒素剤が広く用いられ,又病巣感染を証明するものや,その疑のあるものにはズルフア剤,および種々の抗生物質の効果が期待されている。更にCollagen diseaseとして取り上げられてより,内分泌との関係が考慮され,Corti-sone,ACTH,DOCAとビタミンC併用等のホルモン剤が使用され,又膠原線維および基質の酸性多糖類に対する酵素作用の面よりヒアルロニダーゼの局所注射が行われている。ところが最近,GoldblattはビタミンB12(V.B12と略す)を本症に用い効のあることを報告して以来,Kopfler,Schockが少数ながら有効例を,又Marcus等は非常な大量のV.B12,を使用した成績を発表している。本邦では佐野氏等が比較的少量を用い,かなり良効な成績を出している。
私は慢性円板状エリテマトーデス6例に比較的大量のV.B12を単独,或はビタミンE (V.Eと略す)と併せて使用し,その効果を観察したので茲に報告する。
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