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海外トピツクス
pp.55-57
発行日 1954年1月1日
Published Date 1954/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201141
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腎内壓測定の意義
1937年にF.R.Wintonは,腎の内壓(腎實質内壓)が利尿中に所上昇を來す事を實證してた。1950年に至つてV.A.Montgomery,H.G.Swann等は,更に腎内壓の變化は腎機能に重要な意義を有するものである事を知つた。腎内壓の測定値は測定方法の如何にもよつて異るが,C.W.Gottschalk(1952)はラッテ,モルモツト,家兎及び猫では10mmHg,犬では16mmHg,H.G.Swann(1953)は犬で25mmHgと云う値を得ている。
Gottschalk(1952)は,腎内壓を測定しつゝ腎動靜脈壓及び尿管内壓を測定した所,之等の間には互に密接な關係の存在する事を明らかにした。彼の實驗成績を括めて見ると次の様になる。(1)腎静脈壓との關係,腎靜脈壓は腎内壓よりも僅かに低い値を示している。所がこの腎靜脈を壓迫して腎静脈壓を上げると,1乃至2分の間に腎内壓の上昇を來し,その後兩者の壓は相伴つて上下する關保を保つ。(2)腎動脈壓との關係を見ると,腎動脈壓が80乃至180mmHgの範圍にある間は,腎内壓にさして變化は見られないが,40mmHg以下になると腎内壓は下降し初める。
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