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海外トピツクス
pp.718-719,727
発行日 1953年11月1日
Published Date 1953/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201087
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逆行性腎孟レ腺撮影時に血中に移行する造影劑量
逆行性腎盂レ線撮影時には,しばしば造影劑が腎盂外に流出するもので,我々はこれを尿細管性逆流,及び腎孟壁に發生する逆流現象(Sinus extravasat,Pyelove óser Reflex,Pydobymahatischer Reflux)としてレ線像に證明し得るものである。しかし,かゝる場合に果してどの位の量の造影劑が血行中に流入したかを測定したものはなかつた。Mückel und Gaede(1953)は男子30例及び女子44例,合計80例の症例に於て,逆行性腎盂撮影の直後に,血液のPyridonjod量測定によつて造影劑の血行中への流入量を測定した。そしてその成績は次の如くである。
逆行性腎盂撮影時には,凡ての場合に血中に造影劑が證明出來るもので,これは腎盂からの吸收によるものと考えられる。レ線的に逆流現象が見られる場合には,一般に血液のPyridonjod量が相當に増加する。即ち,腎盂靜脈逆流の際にはその現象が最も強く,その値は突然16.7〜23.9mg%に激増する。腎盂淋巴管性逆流の際にはその増加はやゝ低く,4.6mg% Snusextravasation及び尿細管性逆流の際には一層その増加は少ない。
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