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尿崩症に對する腦下垂體後葉移植法の效果に就いて
齋藤 敏昭
1
,
大川 容根
1
1岩手醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.606-609
発行日 1953年10月1日
Published Date 1953/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201057
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尿崩症に對し腦下垂體後葉の臓器製劑が一時的効果のある事は既に衆知の事實であるが,近來その臓器移植により從來よりは多少好結果を上げている。その作用機轉に關しては移植後或期間は尚固有の機能を保持するとなすもの,非特異性蛋白體刺戟療法に過ぎないと見做すもの,或はその間に他の内分泌腺が刺戟を蒙つて相互間の失調が回復する等の諸説がある。余等は小兒の特發性尿崩症の1例に對し,腦下垂體後葉の移植を前後5回實施して,幸い1カ年間に亘りてその間の經過を詳細に觀察し,しかも良好なる結果を得る事が出來たので,茲にその概略を報告する。
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