原著
腦下垂體後葉と婦人科疾患特に子宮癌に就いて
並木 勉
1
,
岡田 和親
1
,
水野 三雄
1
,
朝日 治
1
1名古屋大學醫學部産婦人科教室
pp.405-407
発行日 1953年7月10日
Published Date 1953/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200864
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緒論
生體は手術的侵襲に對し,所謂Selyeのalarmreaktionを以つて應えることが最近認められつつある。即ち,stress→腦下垂體前葉→副腎皮質と云う此の刺戟過程に於て,腦下垂體前葉の機能は亢進する事が明らかになつた。此の事から同時に,後葉の機能的變化も亦認められ得るのではないかと考察されるので 我々は抗利尿ホルモン拮抗物質に就いて斯かる關係を研究し,既に本誌上に報告せる如く,後葉は又,手術的侵襲に對し前葉と同様に機能が亢進する事が判明した。
一方手術等の如き外的stressとは異なり,體内からの刺戟原因と見られる種々なる疾患に對しても,生體は絶えず之を防禦し,或は順化せんと努力する事が考えられる。
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