臨床講義
腦下垂體腫瘍
荒木 千里
1
,
景山 直樹
1
1京大外科
pp.57-64
発行日 1954年1月1日
Published Date 1954/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200388
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症例:25才の女子
主訴:視力障碍並びに頭痛
現病歴:昨年12月13日(約7ヶ月前)腦下垂體腫瘍の手術(1)1—frontale Kraniotomie(2)Evakuation des zystischen Tumors)を行い,症状輕快して退院した。然るにその後間もなく,今年1月中頃(約6ケ月前)より,再び頭痛を訴えるようになつた。その頭痛は兩側頭部の鈍痛で朝に強く,最近では1週間程續き3日程消失する。3月頃より無月經の治癒の目的で隔日30回腦下垂體製劑の注射を受けたが,著効を認めなかつた。5月上旬より視力障碍を訴えるようになつた。之は特に兩側方が見え難く感ぜられた。月經は昭和25年2月頃より現在迄閉止している。
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