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紫斑症に對するルチン(Rutin)の效果
谷奧 喜平
1
,
藤田 惠一
1
1東京大學醫學部皮膚科教室
pp.6-7
発行日 1951年1月1日
Published Date 1951/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200442
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紫斑症の有效藥劑として從來ビタミンC.K.P.が用いられているが,これ等の作用機轉に就てはビィタミンCは血管壁細胞の呼吸作用を調整する,Kは血漿中のプロトロンビンの生産を促進して血液凝固を昂める。Pは毛細血管の透過性を調整すると解せられている。
最近ビィタミンP中の有效因子ヘスペリヂン,Hesperidinに似た化學構造式を有するルチンRutinが毛細血管の脆弱化に基因する諸疾患に使用されているが,皮膚科領域に於ける使用報告は我國では未だ出ていないようで,茲に我々がその製劑,ヒカルチン(中外製藥)を單純性紫斑症3例に使用した經驗を述べることにする。
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