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泌尿器結核のネオ・ミノフアーゲンA.T治驗
荒川 忠良
1
,
井口 巳廣
1
1徳島大學醫學部泌尿器科教室
pp.59-61
発行日 1953年2月1日
Published Date 1953/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200901
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まえがき
ネオ・ミノフアーゲンA・T以下NA・Tと略記す)はリヂンを主成分とする鹽基性アミノ酸の2%生理的食鹽水溶液で,その作用機轉は結核菌の菌體成分であるリポイドを化學的に分解して,結核菌の發育を阻止すると共に體内の喰細胞を増加させて喰菌作用を旺盛ならしめるといわれている。この意味に於ては,プローミン,プロミゾール,ストレプトマイシン,ハイドラヂツトとは本質的に異なるものであり,效果の點についても異なる見地から判斷されねばならない。本劑の泌尿器科應用に關しては既に富川・弘中,弘中・北村,谷村・平井,岩下,小野,國分,並木・天谷,滝澤,百瀨等の諸氏によつて報告され,膀胱結核については排尿回數の正常化,排尿痛の緩解及び尿混濁の清澄化等,睾上體結核では睾上體の腫脹の輕減,硬結の軟化,さらに瘻孔の乾燥,縮少が見られ組織學的にも結合組織の増殖,毛細血管の増生,擴張,血管壁の潤軟,遊走細胞の増加が見られるという。我が教室に於ても昭和25年5月以降腎結核,膀胱結核,睾上體結核並に結核性瘻孔に使用し,大體從來と同樣の結果を得たので追加の意味に於て報告する。
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