症例集
ヒノキチオールによる結膜結核治驗例
石井 光一
1
1新潟医大眼科
pp.139-141
発行日 1950年4月15日
Published Date 1950/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200558
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結膜結核の療法としては外科的切除又は烙白金による燒灼が行はれるし,藥品では乳酸(20〜50%)又は雪状炭酸による腐蝕,発生機沃度(3%沃度加里点眼後H2O2塗布)等が用ひられ,物理的療法としては紫外線,X線,ラジウム照射等が行はれる.全身療法としてはツベルクリン注射,セファランチン内服等が行はれるけれどもその効果は何れも不定である.
余は頃日瞼結膜に生じ光結核性潰瘍に対して桂教授創案のヒノキチオール(以下「ヒ」と略す)を用ひ之を治療せしめ得た症例を経驗した.未だ適確の治療法の存しない今日只の1例には過ぎないが日常屡々遭遇する疾患でもないところから諸家の追試に期待しこゝに敢へて報告するものである.
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