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初期梅毒のペニシリン治驗例
荒川 忠良
1
,
野間 祐輔
1
1九州大學醫學部皮膚科教室
pp.167-169
発行日 1949年4月1日
Published Date 1949/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200177
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緒言
1943年米國でペニシリン(以下ペと略記する)が梅毒治療に應用されて,卓効のあること,治療期間め短いこと,重篤副作用のないことなどから,數年の間にぺは從來の砒素劑に代る驅梅藥の主劑となりつつある.そして1947年まですでに種々の時期の梅毒患者50萬人がこの治療を受けたといわれる.飜つてわが國においてはぺの生産は昨年より本年にかけて,量,質共に飛躍をとげ,特に最近はG結晶や油蝋製が造られるに至つたが,驅梅藥としてのぺ使用は費用がかさむので,まだ早急の實用化は望めない.從つてわれわは米國における廣範な組織的なこの方面の臨床研究を一つの物語として聞かねばならぬ現状にある.
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