Japanese
English
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右側下腎に慢性腎盂腎炎を合併せる両側完全重複腎盂尿管の1小児例
A CHILD-CASE OF BILATELAL COMPLETE DUPLICATION OF RENAL PELVIS AND URETER WITH CHRONIC PYELONEPHRITIS ON THE RIGHT LOWER KIDNEY
田辺 与市
1
,
山中 祐一
2
Yoichi TANABE
1
,
Yuichi YAMANAKA
2
1京都市中央市民病院皮膚泌尿器科
2京都市中央市民病院小児科
1Department of Dermato-Urology, Kyoto Municipal Civil Hospital
2Department of Pediatrics, Kyoto Municipal Civil Hospital.
pp.1075-1080
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203918
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I.はじめに
重複腎盂尿管は尿路奇形の中では最も多いものとされているが,両側性でしかもそのいずれもが完全重複のものは稀である。しかも小児で臨床例として術前に診断されるものはさらに稀少である。筆者らは最近9歳の女児で尿路感染症として多種の抗生物質およびサルファ剤で小児科的に治療したが頑固に発熱を繰返したものに,泌尿器科的検索を加えて術前に両側性完全重複腎盂尿管であることおよび術後にその一側下腎に慢性腎盂腎炎を合併していることを確認し得た症例を経験した。これは最近小児泌尿器疾患が注目されるようになつた点からみても興味ある症例と考えられるので,ここに報告し併せて些か文献的考察を加えてみたいと思う。
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