--------------------
骨盤臓器全剔除術Complete Pelvic Eviscerationに就て
伊藤 秦二
1
1新潟大學皮膚泌尿器科教室
pp.482-486
発行日 1952年10月1日
Published Date 1952/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200811
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
直腸,子宮,膀胱等より發生する悪性腫瘍に對して夫々根治手術が行われるに到つた今日,廣汎なる骨盤臓器悪性腫瘍に對し骨盤臓器全剔除術が根治手術として理想的であることは當然考えられる處である。この手術は1950年Applebyが本手術施行後7年生存した症例を報告している點から既に1940年頃彼が最初に成功したものと考えられる。併し本手術の最初の報告者はBrunschwigであり,彼は1946年以來多數例に本手術を施行し,その第1報を1948年に發表している。そして最近本手術に對する一般の關心が頓に深まつて來たのは1つに彼の功績に歸すべきものである。かくて嘗ては有效な治療の範園を遙かに越えているかに見えた廣汎なる骨盤臓器悪性腫瘍にも治癒の道が開かれるに到り,Thompson & Howe(1950),Burt(1950). Gilchrist,Merricks,Hamlin & Rieger(1950),Bricker & Eiseman(1950),Brinthnall & Flocks(1950),parsons & Lea-dbetter(1950)等は本手術施行の1例乃至20數例に就て相次いで報告しており,Bricker & Modlin(1951)は本手術を施行した32例の經驗に基き詳細な考察を行つている。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.