Japanese
English
綜説
腎剔除
Nephrectomy
大越 正秋
1,2
Masaaki OGOSHI
1,2
1關東遞信病院泌尿器科
2東京大學醫學部
1Chief of Urological Section, Kwanto Teishin Hospital Lecturer at University of Tokyo Medical School
pp.81-85
発行日 1953年2月20日
Published Date 1953/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201193
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緒言
腎剔除術は現代の日本に於ては泌尿器科手術中重要なものの一つであつて,而もその大部分は腎結核に対して行われている.東大泌尿器科では毎年約100例の本手術が行われておりその約85%は腎結核の症例である.これに反しアメリカ等では腎結核について行われることは甚だ少くBeachamの統計によれば1930年より1950年6月に至る201/2年間に行われた腎剔除術1140例中腎結核症例は僅かに57例(5%)のみである(第1位は水,膿腎症例806例(71%).最近ストレプトマイシン以下数種の新抗結核剤が現われ,腎結核に対してもこれらの藥剤は或程度有効であり,殊にその初期症例は手術しないで,これらの藥剤だけで治癒せしめうる可能性を示す文献も発表されており,又更に限局性の結核病巣に対しては化学療法剤の庇護の下に腎部分剔除術も行われ始めており,結核全体の減少と相俟つて腎結核の際の全腎剔除ということは益々行われることが少くなる傾向をみせている.日本に於ても結核死亡率は1947年より逐年下降し終に先日死亡率半減が祝われるようになり,1952年は7.0位になると予想されている.
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