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海外トピツクス
pp.408-410
発行日 1952年8月1日
Published Date 1952/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200785
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女子のReiter氏病
1916年Reiterがドイツの一軍人の症例に於て始めて發見し,又これとは無關係にフランスのFiessinger andLeroy(1916)及びアフリカのMacfie(1917)が見た處の所謂Reiter氏病,即ち尿道炎と共に結膜炎及び多發性關節炎が併發する病原不明の一種の尿道炎は,從來殆んど男子に限られているもので,その女子の症例はLever and Crawford(1944)の1例の記載があるのみで,しかもこの症例も甚だ疑わしいものである。即ち,女子に見られた確實なReiter氏病の報告は未だないのであるが,最近Solomon Rinkoff(1952)はその1例を報告している。
症例は49歳の女子,頻尿及び灼熱性排尿痛で始り,高度の膿尿があり,マンデラミン療法が無效であつた。次でPhenylazodiaminopyridine,Penicillin共に效果なく,尿路炎症に續いて結膜炎及び右手關節の疼痛及び腫脹,及び右手指の強直が現われてReiter氏病の診斷を下し得たものである。なおこの症例では全身症状として微熱,腟からも多量の排膿があつた。
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