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海外トピツクス
pp.148-149
発行日 1952年3月1日
Published Date 1952/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200697
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ドイツにおける梅毒のペニシリン療法
アメリカではペニシリン單獨療法が推奨され,これに就てはJAMA(日本版,6卷,4號)に詳述されている。最近ドイツ,フランス等の歐洲各國の文献が入手される襟になつたから,今回はドイツの驅梅療法の傾向を窺ってみょう。Ehrlichを生んだドイツでは依然としてサルワルサンの研究が續けられている。一般的にはペニシリンはアメリカでは驅梅療法の主役と,ドイツ,フランス,スイスでは補助的手段と考えられている。ペニシリンの量はアメリカの240〜600萬單位に對し,400〜1440萬單位を用い,投與期間の問題として一般的に高濃度を保つことは梅毒には不必要で,一定期間治療を續けることが必要である。その期間としてはSchwemmlein et al.は10日以上といつている。效果の判定は10〜20年後に可能であるが,現在1〜2年の經過觀察から判定すると70%が輕快すると。しかしサルワルナンの場合はワ氏反應陰轉する迄治療するが,ペニシリンの場合は一定量を投與するのみであるから,サルワルサンの成績と比較するにはワ氏反應が陰性化する迄ペニシリンを投興した場合比較すべきであると述べている。ドイツ文献上ではペニシリン單獨がサルワルサン蒼鉛療法に優るという報告はない。
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