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ピリミヂン・ペニシリンに依る淋疾治療成績
東福寺 英之
1
,
山川 昌一
1
,
大森 周三郎
1,2
,
齋藤 英一
1,2
1慶應義塾大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
2警友病院皮泌科
pp.532-535
発行日 1951年11月1日
Published Date 1951/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200620
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ペニシリンに關する治驗報告は現在迄に,枚擧にいとまがない位に多い。こゝに吾々が新に本邦に於て創製され日本化藥製のピリミヂンペニシリンを使用する機會を得たので,淋疾に對する治療成績に就いて報告する。
ピリミヂンペニシリンはプロカインペニシリンGのプロカインの代りにピリミヂンを結合せしめたもので,第1圖に示すが如き構造式を有し,圖中X及びYの變化により種々のペニシリンを得る事が出來る。吾々の用いたものは油性2-amino-4-methyl・pyrimidine・penicillin(以下P-1)及び2-amino・4 methyl・6 methoxypyrimidille・penicillin(以下P—2)であつて,P—1は分子量,443,305.融點97.5℃の白色單斜晶形を示し,水に對する溶解度は15℃にこて1cc中7.6mg溶解し,プロカインペーニシリンより約2倍の値を示し,マウスに體重1g當り5mg投與するも著明な毒性はない。これを60kgの人體に換算し℃,300gに相當レ毒性は極めて僅少と言うべきであり,水溶液中安定性試驗は殆んどプロカインペニシリンの夫に匹敵する。P-2は分子量473,531で融點139℃の白色板状結晶で水に對する溶解度は15℃にて1cc中3.72mg溶解し,水溶液中安定性及び耐熱安定性毒性も殆んどP-1に一致する。
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