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淋疾のペニシリン一發療法第6報—邦製油性ピリミジンペニシリン10萬單位投與法の治療成績
山本 欽三郎
1
,
手塚 敏夫
1
,
荒井 潔
1
1東京鐵道病院
pp.528-531
発行日 1951年11月1日
Published Date 1951/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200619
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最近米國のメルク社が日本に於けるProc.Pen.の製法特許を申請以來,國内ペニシリンメーカーは將來のペニシリン製剤の生産に大きな危惧の念を抱くに到つたと聞く。かゝる折柄效力,毒性に於てProc.Pen.に毫も遜色のない新Pen誘導體Pyrimidin-Penicillinが國内の技術陣によつて完成されたことは,國内ペニシリン界に明るい希望を抱かせるものである。余等は試供品を潤澤に供給されたので,之が臨牀實驗を我々の領域に於て行うことにした。
Pen.の血中濃度保持延長の目的の爲め,不溶解性のPen.鹽の研究は2,3散見する(Bohls,Cook a.Potter, Reid, Monash, Boger a.Beatly)。我國で日本化藥の山中工場長等はPen.と有機鹽類との化合による併用效果によつてグラム陰陽兩性菌に作用するPen.誘導體の發見に努力していた。數種の物質によつて試驗の結果,所期の目的たる凡ての細菌に效果を及ぼすPen.誘導體の發見には到らなかつたが,PyrimidinとPenの化合體Pyrimidin-Pen.が凡ゆる點でProc.Pen.に比較し得る程優秀であることを發見した。
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