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腎手術に於けるペニシリン創内使用方法に就いて
中村 實
1
,
中村 邦昭
1
1信州大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.526-527
発行日 1951年11月1日
Published Date 1951/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200618
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緒言
腎手術,殊に腎結核に於ける腎摘出後の瘻孔形成には複雑なる要因があつて,それに對して種々工夫がなされている。即ち,北川教授の腎門部附近の淋巴腺の問題,尿管處置の問題,手術創内の化膿菌に關する問題等色々と論議されている現状であるが,サルフア剤及びペニシリン(以下ペと略稱する)その他の抗生物質が治療界に登場してから,これが適用によつて,瘻孔防止に好成績を見ているのはたしかである。
我々はペの使用に當つて,經濟的觀點から,今迄は2〜3ccの蒸溜水に10萬單位溶解して,これを創内に注入し,時にはこれと同時にエピネフリンを添加した溶媒に10萬單位溶解し,膝關節腔内注入を併用して見るべき成績を得ていたが,今回は創内に使用するペの溶媒としてエーテルを使用して見た。その結果に就いて報告する。
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