--------------------
淋疾のペニシリンー發療法(第4報)—水性プロカインペニシリンの皮下投與法に就いて
山本 欽三郎
1
,
河原塚 金造
1
1東京鐵道病院皮膚泌尿器科
pp.327-332
発行日 1950年8月1日
Published Date 1950/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200382
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
水性プロカインペニシリンに就ては1948年の夏米國に於てWhittlesey & Hewittが血中濃液を測定し,夫が數字を記載したのが初めである。その次Robinson et al,Stollerman et al,Milleret alの記載があり,英國でYoung et al我國で藤井等の同樣な記載を見ることが出來る。プロカインペニシリンは油劑に浮游させて使用するのが一般であるが,蒸溜水,食鹽水に懸溷させ得ることが發見當時記載されている(22)。余は昨秋水性プロカインペニシリンの國産品の提供を受けた。試供品は容器中に結晶プロカインペニシリンG30萬單位と擴撒劑としてアルギン酸曹達10mg又はCMC(Carboxymethylcellulose)3.5mgが混ぜてある。
外觀白色粉末状である。余は使用時0.4%,食鹽水2ccを加えて振盪し,之が懸溷液を作つて,皮下或は筋肉内に投與した。ペニシリン粒子の大さは15μ以下である。使用した注射針は1/2或は1/1の皮下針である。夫が成果は下記の如く優秀であつた。余が追求しているペニシリンの簡易治療法(30),一發療法として本劑が至適であるのみならず,臨床上最も簡便な投與法,皮下注射が本製品を待つて初めて堂々遂行出來る事を強調して以下記載する。
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.