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淋疾のペニシリン一發療法(第3報)—關節腔注射法
山本 欽三郎
1
,
河原塚 金造
1
1東京鐵道病院皮膚泌尿科
pp.289-294
発行日 1950年7月1日
Published Date 1950/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200372
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ペニシリン關節腔注射法は既に米國に於てBagley,Hacthが發表こたという。本邦に於ては橋本氏之を紹介する。八家も數例に試みた。淋疾治療に本手技を用いたとしても,橋本の經驗は小數例である,本療法での系統的記載は今日迄ない,ましてや一發療法の目的の爲に之を採用,而て淋疾での完成された治療成績は未發表である。余は長崎醫大北村教授の御示唆により之を試みた。その成果は非常に良く,所謂血中濃度の保持延長に寄與するのみならす,一發療法という特異な意議に於て,以下系統的に之を記載することにした。
手技:使用するペニシリンは之一定させねばならない。先の余の經驗で効果優秀てあった武田藥工の白色結晶を採用した,先づ膝關節腔を太い針で穿刺し,關節液が得られればれにペニシリン20萬單位を溶かす,關節腋が吸引出來ないときは20萬單位を2ccの生理的食鹽水に溶かして,何れも只1回に注入して注射を終える。關節液摂取の能,不能は治療効果に影響がなかつた。
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