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蛋白液を溶解液とせるペニシリンの臨牀應用に就て
安住 義人
1
,
乾 源吾
1
1京都府立平安病院
pp.431-433
発行日 1951年9月1日
Published Date 1951/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200587
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緒言
ペニシリンの非經口的應用に當り血中濃度を長時間持長せしめるために種々の投與法が行われて來た。即ち1つはペニシリンの吸收を遲延せしめ他はペニシリンの排泄を遷延せしめるものである。前者の目的のためには種々の溶媒を應用するもので近時油蝋水性ペニシリン或はゲラチン又は藥剤としてはプロカイン等との化合物を用う。而して人血漿蛋白と結晶ペニシリンを結合せしめPenicillin Protein Complexを用い,或は又患者自身の血液又は血清を用いたる報告がある。後者の目的のためにも夫々の方法が按出せられた。
ペニシリンの溶解液としての鷄卵蛋白液を以てするものは未だ報告を見ない。余等は鷄卵蛋白液を以て溶解し之を臨床上に應用し比較的顯著なる效果を認めたので報告するものである。本研究の基礎的研索は後藤氏(昭和25年3月京府醫大誌46巻6號)により詳細報告したところである。余等の1人安住は鷄卵を主體とする蛋白注射液を製出し(特許178218號)種々の疾病に應用し既に京府醫大誌45巻1號に發表せしところなるも今回使用のものは蛋白液に鹽酸プロカインを結合せしめて溶解液としたものである。
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