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尿からのペニシリン囘收及びその臨牀的應用に就て
中野 政男
1
,
野村 達次
2
1慶應義塾大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
2傳染病研究所細谷研究室
pp.183-186
発行日 1947年12月20日
Published Date 1947/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200051
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I緒言
體内に投與せられたペニシリンは體内で分解されることも,又發育を阻止した菌によつて吸着されることもなく,そのままの形で大部分が尿中に排泄されることは多くの人が認めるところである。
この尿中に排泄されたペニシリンを回收して再び使用することに就てはAbraham等が,ペニシリン中に存在する發熱物質を生體通過によつて除去出來ることを觀察し,又Chain等が研究の初期に,15歳の少年の手術後の化膿をペニシリンで冶療した際,實驗室のペニシリン不足のため,尿から回收したものを用ひて成功したと言ふ事がある。
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